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実施方法

回答者の範囲

2021 年開発者エコシステムの現状アンケートには、47,000 人を超える方にご参加いただきました。このレポートは、183 の国と地域の 31,743 人の開発者からいただいた回答に基づいています。データは以下に続く段落で説明するいくつかの基準に従って重みづけされています。

データクリーニングプロセス

回答者がプライマリー(主な)プログラミング言語に関する質問に答える前にアンケートを終了した場合を除き、部分回答を使用しました。また、疑わしい回答を特定しで除外するための条件も使用しました。確認を行ったインジケーターの一部を以下に示します。

  • 短時間で回答されたアンケート。
  • 同一の IP アドレスから提出されており、回答が非常に類似しているアンケート。Szymkiewicz-Simpson オーバーラップ係数に基づいて 2 つの回答が 75% 以上同一であると見なされる場合、回答率の高い方の提出が考慮されています。
  • 回答が競合するアンケート。たとえば、「18~20 歳」と「16 年以上の職務経験」という矛盾する回答が含まれる場合。
  • ほぼすべての多肢選択式の質問に対し、選択肢が 1 つしか選ばれていないアンケート。
  • 同一のメールアドレスから複数のアンケートが送信された場合、回答が多い方のアンケートを優先して利用します。

回答における負担の軽減

アンケートの長さを短くして回答の負担を軽減するため、一部のセクションは回答者にランダムに提示されています。ランダム化されたセクションは 7 つあり、そのうち 2 つのみを全回答者に提示しました。

  • 継続的インテグレーション、課題追跡、VCS
  • テスト
  • DevOps とホスティング
  • 静的解析、オープンソースなど
  • 教育
  • クロスプラットフォームとマイクロサービス
  • コミュニケーションツール

例えば、回答者が「テスター / QA エンジニア」または「DevOps エンジニア / インフラストラクチャ開発者」を役職として選択した場合、その役職に限定された 1 つのセクションのほかに、もう 1 つランダムに選択されたセクションが示されます。

できるだけ多くの調査トピックを網羅する目標を達成する一方で、回答者に課す作業を減らす対策を講じましたが、回答者は平均して、合理的に要求できるよりも長い時間を回答に費やしていることがわかりました。来年のアンケートについては、エクスペリエンスを改善できるようにその構成を再検討いたします。

ターゲット

潜在的な回答者がアンケートに回答できるように、Twitter 広告、Facebook 広告、Instagram、Quora、VK、および JetBrains 独自のコミュニケーションチャンネルを使用しました。また、一部のユーザーグループとテック系コミュニティチャンネルにもリンクを掲載し、アンケートへのリンクをほかのユーザーに共有していただけるように回答者にお願いしました。

国・地域

今年は対象基準を変更し、地理的なカバレッジを拡大しました。前年の調査でターゲットしていた 18 か国と除き、世界中から回答を集め、回答者を 6 つの地域に割り当てました。

23 の地理的実体から十分な数のサンプルを収集しました。これらの実体には 17 か国が含まれており、世界中の全開発者の約 70% を占めています。アルゼンチン、ベラルーシ、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、日本、メキシコ、ロシア、韓国、スペイン、トルコ、ウクライナ、英国、および米国です。残りの国々は、6 つの地域に分散されました。

  • アフリカ、中東、中央アジア
  • 上記に含まれないヨーロッパの国
  • 東南アジア、オセアニア、オーストラリア、ニュージーランド
  • 中南米
  • 東ヨーロッパ、バルカン半島、コーカサス地方
  • 北ヨーロッパ、ベネルクス

地理的地域ごとに(カナダと日本を除く)、広告などの外部ソースから 300 件以上の回答を収集しました。一部の地域においては、一部の国(ネパール、ケニヤなど)から異常に大量の回答を得ましたが、より代表的な分布を得られるように、これらの回答の一部は分析から除外されています。

ローカライゼーション

英語以外を母国語とする回答者に対する偏りを最小限に抑えるために、このアンケートは、中国語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、およびトルコ語の 9 つの言語でも行われました。

標本抽出バイアスの緩和

バイアスを最小限に抑えるため、レポートは Twitter広告、Facebook 広告、Instagram、Quora、VK、および回答者のリファーラルから得た回答に関連して重み付けされたデータに基づいています。各回答者のアクセス元を個別に考慮し、重み付けプロシージャに基づいて結果を生成しました。より少ないバイアスで世界中の開発者人口の展望を得られるよう、重み付けは 3 段階に及んで行われました。

第 1 段階:23 地域でのプロ開発者の人口

第 1 段階では、各国をターゲットする間に収集された回答をまとめ、それらのデータに各国のプロフェッショナル開発者の推定人口を適用しました。

さまざまなソーシャルネットワークで 23 の地域に掲載した広告から得たプロフェッショナル開発者と勤労学生に関するアンケートデータと、同朋間のリファーラルから得たデータを合わせて集計しました。次に、当社が推測した 23の地域のプロフェッショナル開発者の人口に基づき、すべての回答に加重しました。この加重により、各国のプロフェッショナル開発者の推定数に対応した回答の分布を実現しています。

第 2 段階:現在雇用されている開発者と無職の開発者の比率

第 2 段階では、各国の学生と無職の回答者数(同じ外部広告キャンペーンより取得)の比率を 17% とすることに注目しました。この作業は、唯一利用できた推定人口であったことから、前年採用した方法との一貫性を保つために行われました。

その結果、国や雇用ステータスによって加重された外部情報源から19,281件の回答の分布を得ることができました。

第 3 段階:雇用状況、プログラミング言語、JetBrains 製品の使用

第 3 段階は、どちらかといえば高度で、連立方程式を解いて得た計算が含まれます。加重された 19,281 件の回答を使用しました。各国の開発者について、雇用区分のほかに、30 種以上のプログラミング言語の各シェアだけでなく、「現在、JetBrains 製品を使用している」と「JetBrains またはその製品を聞いたことがない」と答えた人のシェアを計算しました。これらのシェアは、方程式の定数とされています。

次のステップは、ほかの情報源からの回答グループを 2 つ追加することでした。JetBrains ソーシャルネットワークアカウントやリサーチパネルといった JetBrains 内部のコミュニケーション経路と、特定のプログラミング言語ユーザーをターゲットとしたソーシャルネットワーク広告キャンペーンです。これにより、12,462 件の追加回答を得て、それらのシェアすべてを同等に維持できるように加重しました。

30 個以上の一次方程式と一次不等式のシステムを解決

次を表す 30 個以上の一次方程式と一次不等式を使って連立方程式を組み上げました。

  • 回答者の加重計数(標本に含まれる Fiona(フィオナ)は、フランスの 180 人のソフトウェア開発者を平均的に代表している、など)。
  • 回答者の具体的な価値(Pierre は C++ を使用し、正社員で、JetBrains を聞いたことがない)。
  • 回答間の必要な比率(27% の開発者は過去12か月以内に C++ を使用したことがある、など)

重み付け計数の分散を最小限に抑えこの連立方程式を解くために(非常に重要な作業です)、双対法(Goldfarb-Idnani 法、1982年、1983年)を使用し、回答者に最適な個別の重み付け計数の照合を行いました。

根強いバイアス

JetBrains ユーザーは平均してアンケートに回答する意欲が高かった可能性があるため、こういった対策にもかかわらず、何らかのバイアスが存在する可能性があります。

また、JetBrains コミュニティエコシステムも増大しており、加重段階や努力を以てしても、いくらかのデータ変動があると思われます。たとえば、Kotlin 言語の全体的な使用率に変化はないものの、JVM 用にアプリケーションをコンパイルする Kotlin ユーザーのシェアは、情報源内の Kotlin / JVM バイアスにより当社のデータでは拡大しています。

今後も加重方法の更新と改善に努めていく予定です。次回の「DevEco 2022」にご期待ください!

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