PhpStorm 2025.1 の新機能

このアップデートのハイライトは以下の通りです。

  • Xdebug サポートの改善
  • .env ファイル内のネストした変数のサポート
  • AI Assistant の機能強化:
    • コード補完への無料かつ無制限のアクセスとローカルモデルのサポート
    • 新しいクラウドモデルのサポート
    • 高度な RAG ベースのコンテキスト認識
    • チャットから複数のファイルを直接編集できる新しい編集モード
  • @phpstan-type および @phpstan-import-type の array shape エイリアスのコード補完
  • プロジェクト開始時の WordPress サポート
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PHP

@phpstan-type および @phpstan-import-type のコード補完

このリリースでは PhpStorm の PHPStan アノテーションのサポートが改善され、@phpstan-type および @phpstan-import-type での array shape エイリアスのコード補完が導入されました。 PHPDoc の @phpstan-type アノテーションで定義されている(または @phpstan-import-type アノテーションで参照されている)ローカル型エイリアスを使用すると、IDE によってクラス本体内の配列キーが自動補完されます。

.env ファイル内のネストした変数のサポート

PhpStorm バージョン 2025.1 では .env ファイルのサポートが拡張され、ネストした変数の構文が新たにその対象になりました。 コード補完、宣言と使用箇所の間の移動、インスペクション、およびクイックフィックスを ${…} で囲まれた環境変数でも使用できるようになりました。

AI Assistant

PhpStorm だけでなく、JetBrains AI Assistant にもメジャーアップデートが適用されました。 PhpStorm とその他の JetBrains IDE ですべての JetBrains AI の機能を無料で使用できるようになりました。コード補完とローカルモデルのサポートは無制限に利用可能で、その他の機能は制限付きのクレジット制で提供されます。

また、新しいサブスクリプションシステムを導入し、AI Pro および AI Ultimate ティアで必要に応じてスケールアップを簡単に行えるようにしました。

チャットでの LLM の選択肢の拡大

チャットでの AI モデルの選択肢が拡大されました! 以下のような最新かつ最も高度な言語モデルから選択できるようになったため、AI の使用感を完全に制御できるようになりました。

  • Claude 3.7 Sonnet
  • OpenAI GPT-4.1 (сoming soon)
  • Gemini 2.0 Flash

しかもそれだけではありません! JetBrains は今後も AI モデルの統合に取り組み、最新の AI テクノロジーにアクセスできるようにする所存です。

チャット内のコンテキスト認識の改善

プロジェクトで使用されている PHP メソッドに対し、ローカルおよびクラウド LLM が PhpStorm のインデックスデータを活用できるようになりました。 これにより、AI Assistant がチャットで生成されるコードスニペットの品質と関連性を向上させることが可能になります。

オフラインモード: ローカルモデルの使用

AI Assistant では、オフラインでローカルモデルを使用するか、クラウドベースの AI 処理を使用するかを柔軟に選択できます。 新しいオフラインモードを使用することで、インターネットに接続せずに AI によるコーディング支援を活用できるようになりました。 Ollama または LM Studio によるローカルモデルをチャット、コード生成、コミットメッセージ、インラインドキュメントなどで使用できます。

編集モードでの複数ファイルの変更 ベータ

複数のファイルをこれまで以上に簡単に編集できるようになりました! AI Assistant がチャット内で複数ファイルの編集をサポートするようになったため、検索拡張生成(RAG)を活用して最も関連性の高いファイルを特定しながら、プロジェクト全体に適用可能な変更を提案できるようになりました。 定型タスクを減らし、1 回の対話で複数ファイルに変更を実装できます。

チャットからのスニペット適用

AI チャットからコードスニペットを提案された際、Apply(適用)ボタンを使用して自動的に最適な場所を特定し、新たに生成されたコードを挿入できるようになりました。手動でコピーして貼り付ける必要はもうありません。 この機能により、ワークフローが大幅に合理化されます。

AI のコンテキスト認識精度の向上

AI Assistant が高度な RAG を使用して最も関連性の高いファイル、メソッド、およびクラスを明確化し、プロジェクト全体をより深く理解できるようになりました。 また、コンテキストに最近アクセスされたファイルも含まれるようになったため、よりワークフローに関連性のある対話が可能になっています。 コンテキストとして送信される添付ファイルの追加や削除も可能になったため、AI のコンテキストを完全に制御することができます。

AI のコンテキストからファイルを除外

.aiignore ファイルを構成すると、AI Assistant が認識する内容をさらに細かく制御できます。 これにより、JetBrains AI による特定のファイルやフォルダーへのアクセスを阻止し、機密情報の処理を確実に防ぐことができます。

チャットからのウェブ検索

AI Assistant とのチャットウィンドウ内で新しい /web コマンドを使用することで、直接ウェブからドキュメント、トラブルシューティングのヒント、および最新の技術リソースを取得できるようになりました。 タブを切り替えたり、手動で検索したりする必要はもうありません!

Explain with AI(AI で説明)チャットへのスキーマ添付

すべての関連コンテキストが使用されていれば、説明の効果が増します。 AI Assistant にクエリの説明を求めると、対応するスキーマが自動的にチャットに添付されるようになりました。

デバッグ

CLI Interpreters(CLI インタープリター)ウィンドウから Xdebug をインストールするオプション

PhpStorm は使用中の PHP インタープリターに対応するデバッガーがインストールされていないことを検出するなど、さまざまな方法で Xdebug のセットアップを単純化します。 PhpStorm 2025.1 では Xdebug が見つからない場合、CLI Interpreters(CLI インタープリター)ダイアログから直接自動的にダウンロードしてインストールすることができます。

JetBrains が Xdebug Helper ブラウザー拡張機能の保守を担当

Fraser Chapman との提携により、JetBrains が Chrome および Firefox ブラウザー用の公式 Xdebug トグラーの公開と保守を行うことになりました。 JetBrains の Xdebug Helper 拡張機能はオープンソースであり、開発は Fraser が行っていますが、JetBrains がテストとリリースを担当することで、中断なくデバッグを行える信頼性の高いツールを確実に提供できます。

WordPress

プロジェクト開始時の WordPress サポート

PhpStorm で WordPress プロジェクトのサポートを利用するには、マシン上の WordPress コアインストール環境へのパスが認識されている必要があります。 従来はプロジェクト開始時にそのパスを手動で入力するように求められていましたが、PhpStorm バージョン 2025.1 からはパスの検出を試み、WordPress フレームワークのサポートを自動的に有効化するようになりました。

パスが検出されない場合は、IDE の PHP | Frameworks(フレームワーク) 設定ページが開き、必要な情報を入力することができます。

フロントエンド

Vue および Nuxt のサポートの改善

PhpStorm の New Project(新規プロジェクト)ウィザードに Nuxt CLI(nuxi)が統合されたため、新規 Vue プロジェクトを開始しやすくなり、以前よりもスムーズにセットアップを完了できるようになりました。

また、モジュール拡張によって追加されたカスタムプロパティを正しく解決することで、Vue のグローバルプロパティのサポートも改善されています。 さらに、__VLS_WithTemplateSlots で宣言されたパッケージ化されたコンポーネントの自動補完と自動インポートに関する問題も解決されており、Vue プロジェクトでより堅実な開発を行えるようになっています。

モノリポのサポートの改善

モノリポでをよりスムーズに扱えるようになりました! PhpStorm がサブプロジェクト単位の Prettier 構成を考慮するようになり、exports 処理が改善されたことで自動インポートとパスエイリアスをよりスマートに解決できるようになり、大規模な Nx ワークスペースでのコード補完と移動操作の速度が向上しました。 すべてのプロジェクトでコーディングの一貫性と効率が向上したことを体感してください。

ユーザーエクスペリエンス

新しいターミナルのアーキテクチャ ベータ

2025.1 リリースではターミナルのアーキテクチャが改良され、ベータとして提供されています。 ターミナルが安定した標準準拠のコアで動作し、IDE のエディターを使用して UI をレンダリングするようになりました。 この変更により、ローカルかリモートかに関係なくさまざまなプラットフォームで互換性とパフォーマンスを維持しながら、新しい機能を導入できるようになっています。 今後の計画と進捗については、こちらのブログ記事をご覧ください。

Markdown プレビューの検索機能

PhpStorm 2025.1 では、Markdown プレビュー内で検索できるようになりました。 README.md のプレビューはプロジェクトを開く際かクローンする際に最初に表示されることが多いため、このアップデートでは重要な情報をすぐに見つけやすくしています。

Windows OS ネイティブのファイルダイアログ

PhpStorm が IDE 独自の実装ではなく、Windows ネイティブのファイルダイアログをデフォルトで使用するようになりました。 これにより、ファイルを開いたり保存したりする際の動作がより分かりやすくなりました。 以前の動作を希望する場合は、Advanced Settings(高度な設定)| User Interface(ユーザーインターフェース)で元に戻せます。

コミット動作に関する更新

早期アクセスプログラムで受け取った幅広いフィードバックに応えて、非モーダルのコミット(デフォルトで組み込まれているオプション)のワークフローを改良しています。 モーダルコミットインターフェースがプラグインとなり、Settings(設定)| Advanced Settings(高度な設定)| Version Control. Git(バージョン管理. Git)で有効化できるようになっています。 このプラグインはバージョン 2025.1 では IDE にバンドルされているため、手動でインストールしなくてもインターフェースを使用し続けることができます。

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